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山口浩美(Hiromi Yamaguchi)

山口浩美(Hiromi Yamaguchi)

漆(Lacquerware)

蒔絵

輪島の漆芸家、山口浩美氏は、かつて画家を志していたこともあり、漆に絵画的要素を取り入れたこれまでの輪島塗の蒔絵作品を生み出されています。
代表作でもある銀地蒔絵は、銀蒔絵を施した後、下絵を描かずに短時間で線画を彫り上げるものですが、どの作品の景色にもひとつの物語があり、まるで一枚の絵画を見ているようです。

Profile
1970 群馬県に生まれる
1990 高崎芸術短期大学 油絵科卒業
1991 「日本新工芸展」にて'92奨励賞を受賞
1999 初個展、以後、各地で個展開催
2000 「雪のデザイン展」にて奨励賞を受賞
2012 ロンドン「COLLECT」サーチギャラリー('13、'14)、シカゴ「SOFA」ネイビーピア
2013 「アートフェア東京」に出展
山崖松堂(Shoudou Yamagishi)

山崖松堂(Shoudou Yamagishi)

漆(Lacquerware)

芯漆

山崖松堂さんが手掛ける「芯漆」という技法は、芯に木材を使用せず、漆のみを幾重にも塗り重ね、10年あるいはそれ以上の歳月を掛けて一つの作品が完成する技法です。一般的に漆器は、漆が剥げ、芯となる木の部分が朽ちることにより使用できなくなりますが、漆のみでできた作品は、非常に強度があり、何千年、何万年と朽ちることなく半永久的にその形を留めると言われており、まさに究極の漆器と呼ぶに相応しい器です。

Profile
1965 石川県輪島市に生まれる
1986 漆芸の道に入る
1987 漆の手塗手法を始める
1996 初個展開催、以後、各地で個展開催
1998 「茶道美術公募展」にて入選
2000 漆を研究するための「漆ラボ」を立ち上げ研究開始
2011 石川県産業支援機構の補助を受け焼成脱乾漆技法を開発
2012 日本漆工協会に入会
2016 「明治神宮漆の美展」にて入選
山本亮平(Ryohei Yamamoto)

山本亮平(Ryohei Yamamoto)

磁器(Porcelain)

染付/李朝

山本亮平さんは、日本の磁器発祥の地である有田において、薪窯を中心に磁器作品を作られている数少ない陶芸家の一人です。山本亮平さんの磁器作品は、まるで陶器のような味わいがあり、17世紀初頭の初源伊万里や初期伊万里を彷彿とさせることから、陶芸ファンのみならず、古美術の蒐集家からも多くの注目を集めています。

Profile
1972 東京都に生まれる
1996 多摩美術大学油絵学科卒業
2002 有田窯業大学校絵付ろくろ研修終了
2007 有田町にて独立築窯
山田和(Kazu Yamada)

山田和(Kazu Yamada)

越前/無名異(Echizen/Mumyoi)

志野/瀬戸黒/黄瀬戸/織部 他

日本を代表する偉大な陶芸家、故加藤唐九郎氏に薫陶を受け、その加藤唐九郎氏から「越前の土でいい志野ができる」と聞き、福井県の越前陶芸村で作陶を続けているのが山田和さんです。志野、引出黒、織部、黄瀬戸といった桃山時代の美濃陶を手掛けるとともに、炎舞志野、赫釉織部といった新たな作品も発表され、多くの方の注目を集め続けています。

Profile
1954 愛知県常滑市に生まれる(叔父は3代山田常山)
1976 大阪芸術大学卒業、越前に築窯
1978 サン・ギャラリー住恵にて初個展開催、以後、各地にて個展開催
1988 ドイツにて穴窯を築窯、記録映画「炎より生まれる」制作に参加
1989 ドイツにて作品制作、初窯
2010 東京国立近代美術館工芸館「茶事をめぐって-現代工芸の視点」出品
2013 福井県陶芸館企画「山田和」展開催
山田大(Hiroshi Yamada)

山田大(Hiroshi Yamada)

越前/無名異(Echizen/Mumyoi)

志野/瀬戸黒/伊賀/唐津 他

越前で作陶されている山田大さんは、父の山田和氏と共に作陶をし、志野、引出黒といった桃山時代の美濃陶に留まらず、伊賀、唐津、南蛮など様々な焼物を手掛けられています。料理やお酒に対する関心も高く、その知識はプロも舌を巻くほど。今後の活躍が非常に楽しみな陶芸家の一人です。

Profile
1979 福井県丹生郡越前町に生まれる(山田和の次男)
2002 大阪芸術大学工芸学科陶芸コース卒業
2005 ドイツ(ヤン・コルヴィッツ陶房)にて制作
2006 新たに穴窯を築窯
2008 丸栄にて初個展開催、以後、各地にて個展開催
岸田匡啓(Masahiro Kishida)

岸田匡啓(Masahiro Kishida)

唐津/李朝(Karatsu/Yi Dynasty)

唐津/高麗

岸田匡啓さんは、唐津の巨匠、川上清美氏に師事し、独立間もない作家ですが、既に個展を開催し、注目を集めています。2017年には、フランス・パリ郊外で開催された世界最大級の日本文化の博覧会「ジャパンエキスポ・パリ」に作品を出展され、今後の活躍が期待されます。

Profile
1983 静岡県に生まれる
2007 唐津にて修業を始める
2009 川上清美に師事
2012 唐津市浜玉町にて独立
2014 炎色野にて初個展開催、以後、各地にて個展開催
川端健太郎(Kentaro Kawabata)

川端健太郎(Kentaro Kawabata)

美濃(Mino)

磁器&色硝子

磁土に色ガラスを埋め込み、焼成時にその色ガラスの一部が溶け出すことによって、釉薬だけでは表現できない様々な色合いの景色を生み出す川端健太郎さんは、磁器と色ガラスという異なる素材を組み合わせたユニークなこの技法だけでなく、時に生物を思わせるようなオブジェを作られるなど、従来の伝統工芸の感覚に捉われない素晴らしい作品を精力的に発表されています。

Profile
1976 埼玉県に生まれる
1998 東京デザイナー学院陶器科卒業
2000 多治見市陶磁器意匠研究所修了
2001 「織部の心作陶展」にて大賞を受賞
2003 「カルージュ国際陶芸展」にて入選
2004 「第5回益子陶芸展」にて加守田章二賞を受賞
2007 SOFA(シカゴ) に出品、「パラミタ陶芸大賞展」にて大賞を受賞
2009 ハーバード大学にてワークショップ開催
2010 「現代工芸への視点」に出品(東京国立近代美術館工芸館)
市野雅彦(Masahiko Ichino)

市野雅彦(Masahiko Ichino)

丹波(Tanba)

丹波

故初代市野信水氏を父に持つ市野雅彦さんは、父が歩んだ茶陶の道とは異なり、芸術としての表現の可能性を追い求め、オブジェ作家としての道を歩み始めます。丹波の土を用い、古来からの技法に倣い、それでいて今までにない新しいスタイルの作品を発表され、日本陶芸展にて最優秀作品賞(’95)、日本陶磁協会賞(’06)、茶の湯造形展にて大賞を受賞されるなど、数々の賞を受賞されています。

Profile
1960 兵庫県篠山市に生れる
1981 嵯峨美術短期大学陶芸科卒業後、今井政之、父初代信水に師事
1986 「全関西美術展」にて関展賞三席を受賞
1988 独立し、大雅窯を築く
1995 「第13回日本陶芸展」にて最優秀作品賞・秩父宮賜杯を受賞
1996 「茶の湯の造形展」にて優秀賞を受賞
1997 NHK・BS2放送「やきもの探訪」放映
2006 日本陶磁協会賞を受賞
2009 「茶の湯の造形展」にて大賞を受賞

後関裕士(Hiroshi Goseki)

徳利・片口

徳利・片口

商品カテゴリー 徳利・片口
木工

木工

木の器は、自然の木目という見た目、ほっとするような手触り、軽さ、割れないという良さがあります。
自然の木から作るため、当然のことながら1点1点、造形も景色も異なり、そこがまた作品の大きな魅力となっています。
基本的に木のグラスはグラスのフチが厚め、お酒が重厚に感じます。
また、木の香りによりお酒の臭みが消されて飲みやすくなるということもあります。
木村宜正(Noritada Kimura)

木村宜正(Noritada Kimura)

京都(Kyoto)
油滴天目/天目
木村宜正氏は、祖父が上絵職人、父と叔父が陶芸家という焼物の家に生まれ、幼い頃から自然と焼物に接してきました。天目を手掛ける多くの陶芸家が天目のみを作陶されることが多い中、木村宜正氏は、唐津や織部、粉引や三島、青瓷といった他の作品も手掛けたり、京都の老舗料亭から食器の注文を受けたりと焼物屋として非常に幅広くご活躍されています。そして最も驚くべきは、天目とそれらの作品とを同じ窯で焼成している点です。特別な原料も使わず、特別な焼き方もしないとご自身はおっしゃいますが、高度な技術がなければ、到底成し得ることはできません。
1968年 京都市に生まれる
1989年 京都府立陶工高等技術専門学校終了
1992年 日本伝統工芸近畿展入選、以降毎年入選
1998年 清水卯一氏主幹「蓬莱会展」出品(以降2004年まで毎年出品)
2003年 日本伝統工芸展初入選
2007年 京都市芸術文化協会主催「CRIA展」推薦出品
2012年 京都美術・工芸ビエンナーレ2012入選
木村盛康(Moriyasu Kimura)

木村盛康(Moriyasu Kimura)

天目(Tenmoku)

天目
松本伴宏(Tomohiro Matsumoto)

松本伴宏(Tomohiro Matsumoto)

奈良/伊賀/信楽(Nara/Iga/Shigaraki)

信楽/楽

代々信楽焼を営む窯元に生まれた松本伴宏氏は、釉化信楽という独特の技法を得意とされる陶芸家です。
釉化信楽とは信楽の土で成形した器を穴窯で焼き締めたあと、釉を掛け再焼成する贅沢な焼成方法で、人為的ではない偶然が生み出す信楽特有の窯変の景色を釉薬の下に持つ、他の信楽焼にはない、落ち着いた優しい色合いの作品で全国に沢山のファンの方がいらっしゃいます。

Profile
1968  滋賀県信楽町生まれ
1987  信楽窯業試験場修了
1988  京都陶工修練校卒業
1989  京都工業試験場修了
1993  信楽にて独立
2009  薪窯築窯
2015  宝塚[galleryRERUN」で「松本伴宏 陶展」開催
梶原靖元(Yasumoto Kajihara)

梶原靖元(Yasumoto Kajihara)

唐津/李朝(Karatsu/Yi Dynasty)

唐津/高麗

梶原靖元さんは、古唐津に最も迫る作品を作る作家として、多くの方の注目を集めています。古唐津や高麗茶碗の窯跡の調査を通して、古唐津は粘土ではなく砂岩を使用して作られた焼物だという仮説を立て、古唐津の研究に新たな境地を開かれました。その成果は、唐津の陶芸家が集う「古唐津研究会」で惜しみなく発表され、梶原靖元さんは、現代の唐津において大きな牽引役を果たさています。

Profile
1962 佐賀県伊万里市に生まれる
1980 有田工業高校デザイン科卒業
1995 唐津市内で独立
1997 唐津市佐里大谷に穴窯を築窯
2003 第100回九州山口陶磁器展経済産業大臣賞受賞
2005 中国の地質巡検
2012 韓国梁山にて作陶
2013 韓国通度寺にて作陶
橋本大輔(Daisuke Hashimoto)

橋本大輔(Daisuke Hashimoto)

天目(Tenmoku)

油滴天目、天目

橋本大輔氏は、京都市工業試験場で勉強していた際、美しい油滴天目のテストピースに出会い、以来、天目だけを研究し続けてきました。
様々な天目の釉薬を開発するのはもちろんのこと、ともすれば単調になりがちな天目の作品の芸術性を高めるため、近年は釉薬を総掛けせず、独自の掛け方をすることにより、唯一無二の天目を生み出すことに挑まれています。

1972年 京都府に生まれる
2002年 京都府立陶工高等技術専門校陶磁器成形科終了
2004年 京都市工業試験場陶磁器コース終了、父、二代橋本城岳に師事
2012年 第41回日本伝統工芸近畿展入選
2013年 滋賀県大津市に築窯、独立
渡辺愛子(Aiko Watanabe)

渡辺愛子(Aiko Watanabe)

奈良/伊賀/信楽(Nara/Iga/Shigaraki)

伊賀/信楽/灰釉

炎の力強さを感じられるビードロに、荒々しい灰被りや焦げの景色、どの作品も一見すると無骨な伊賀らしい作品に思えますが、よく見ると他の伊賀とは異なり、どこかその造形に女性らしい柔らかさを感じずにはいられません。伊賀の無骨さと女性らしさ、この二律背反した要素を併せ持った器こそ、渡辺愛子さんの伊賀の真骨頂でもあり、多くの陶芸ファンを惹きつける大きな魅力でもあります。近年は「ひとり六古窯」と題して、伊賀以外の作品も精力的に発表されています。

Profile
1971 大阪府堺市に生まれる
1992 嵯峨美術短期大学美術学科卒業
1994 信楽の穴窯で焼成技術の勉強を始める
2001 三重県伊賀市に穴窯を築き独立、穴窯陶廊 炎色野にて初個展、以後、各地で個展開催
2003 穴窯を築窯
2009 穴窯を築窯
漆

木、竹、紙の素地に漆を塗り重ねて作る東洋独特の器物で、日本、中国、朝鮮、ミャンマー、タイなどで発達してきました。
下地、上塗、加飾で様々な技法があり、日本では縄文(じょうもん)時代末期に出現して以降、長い歴史があります。
奈良時代に、中国から螺鈿、平文、漆皮、漆絵、乾漆などの技術が伝わり、平安時代になって日本特有の蒔絵が発達しました。
室町時代になって中国の宋、元、明の技法の影響を受け、堆朱、沈金、鎌倉彫などが盛行し、桃山時代には高台寺蒔絵や南蛮漆芸のような新鮮な様式が出現するなど、それぞれの時代で技法が生み出されてきました。
漆器のほとんどは、木で作られた型に漆を何層にも塗って完成しますので、割れない、という安心感があります。
陶器と一緒で大事に使っていくと、だんだん漆が馴染んできたり、表情が付いてきます。
澤克典(Katsunori Sawa)

澤克典(Katsunori Sawa)

奈良/伊賀/信楽(Nara/Iga/Shigaraki)

信楽/織部/志野

澤克典さんは、伝統的な信楽のみに捉われず、師である鈴木五郎氏から学び、織部や志野、引出黒などの作品も手掛けられ、信楽に新しい風を吹き込んでいます。特に絵付けが瀟洒な弥七田織部や赤織部は、地元、美濃でも手掛けられておる作家は少なく、今では、むしろ澤克典さんの代名詞とも言える作品の一つとなっています。

Profile
1980 滋賀県甲賀市信楽町に生まれる(澤清嗣の長男)
2002 滋賀県立窯業試験場終了、鈴木五郎に師事
2005 信楽町にて独立
2006 初個展開催、以後、各地で個展開催
2013 アメリカ、サンフランシスコにて父子展開催
澤清嗣(Kiyotsugu Sawa)

澤清嗣(Kiyotsugu Sawa)

奈良/伊賀/信楽(Nara/Iga/Shigaraki)

信楽

澤清嗣さんは、穴窯で力強い窯焚きをされるため、窯の中で作品が炎に耐え切れず、割れたり、裂けたり、歪んだりすることがありますが、その「破調の美」こそ澤清嗣さんの作品の大きな魅力となっています。その不完全な部分に、炎の力強さだけでなく、自然の美しさを見出すのは、決して私たち日本人だけではないはずです。

Profile
1948 滋賀県甲賀市信楽町に生まれる、生家は信楽焼の窯元
1968 京都府陶工訓練校終了
1972 信楽の高橋春斎に師事
1981 独立
1988 家業を辞めて作家活動に力を入れる
瀬戸毅己(Takemi Seto)

瀬戸毅己(Takemi Seto)

天目(Tenmoku)

曜変天目

世界に3碗しか存在しない国宝、曜変天目。多くの陶芸家がその再現に挑んできましたが、近年になり、ついに3名の陶芸家がその再現に成功されました。瀬戸毅己さんは、その再現に成功された一人ですが、瀬戸毅己さんの場合、茶碗の再現に留まらず、酒器でも曜変天目の再現に成功されるという非常に素晴らしい技術を有されています。

Profile
1958年 神奈川県小田原市に生まれる
1981年 東京造形大学彫刻科卒
1982年 愛知県立窯業訓練校修業
1996年 初個展開催、以後、各地で個展開催
2004年 曜変天目が朝日新聞に掲載
熊野九郎右ヱ門(Kuroemon Kumano)

熊野九郎右ヱ門(Kuroemon Kumano)

分類:越前/無名異(Echizen/Mumyoi)
手法:熊志乃/松坂志乃/九郎手ヲリベ

穴窯で1,500℃もの超高温の炎から生み出された熊野九郎右ヱ門さんの代表作「熊志乃」「松坂志乃」は、もはや焼物の概念を超越し、マグマを想わせるような苛烈なエネルギーを内包しつつ、その釉調に雄大な大自然の景色を見るかのようです。ひとたび熊野九郎右ヱ門さんの作品に魅了されてしまうと、他の焼物が目に入らなくなってしまう、そう評する陶芸ファンが数多く存在します。

Profile

1955 福井県鯖江市に生まれる
1985 ロシア、リガ、ソチにて穴窯指導に招聘
1986 ロシア、サハリンにて陶土開発に招聘
2004 ドイツ、ヴェステルバルド陶磁博物館にて「全EU陶芸展」に特別招待
2006 ドイツ、コブレンツ応用科学大学にて超高温焼成実技指導に招聘
2012 アメリカ、ピードモント大学にて実技指導に招聘
田中孝太(Kouta Tanaka)

田中孝太(Kouta Tanaka)

唐津/李朝(Karatsu/Yi Dynasty)

唐津/高麗

唐津の作家、故中川自然坊氏の最後の弟子である田中孝太さんは、弟子の中で最も故中川自然坊氏の作風を受け継いでいる作家の一人です。力強い造形に炎の勢いまでも感じられるような斑唐津や朝鮮唐津の釉調は、まさに師である故中川自然坊氏が最も得意としていたもの。今後の活躍がとても楽しみな作家です。

Profile
1984 山口県に生まれる
2009 有田窯業大学校卒業
2009 韓国、金業吉に師事
2010 唐津、中川自然坊に師事
2012 唐津にて独立
田村星都(Seito Tamura)

田村星都(Seito Tamura)

磁器(Porcelain)

九谷(細字)

器に美しい絵付けを施すだけでなく、細かな筆使いで和歌が描かれた「細字(さいじ)」は、九谷焼の中でも田村家のみに伝わる一子相伝の技法です。粘性の強い釉薬は、普通の筆運びでは文字を描くことができず、細い方から太い方へ、下の方から上の方へと逆の筆使いで文字を描かなくてはならず、それでいて美しい文字に魅せるのは、まさに至難の業と言えます。田村星都さんは、この細字の技法を受け継ぎ、さらに英語の作品も手掛けられるなど、新たな細字の作品を生み出されています。

Profile
1980 石川県小松市に生まれる
2004 毛筆細字三代田村敬星に師事
2007 石川県立九谷焼成技術研修所実習科修了
2010 小松市に工房を構える
2011 西武渋谷店にて個展開催、以後、各地にて個展開催
矢野直人(Naoto Yano)

矢野直人(Naoto Yano)

唐津/李朝(Karatsu/Yi Dynasty)

唐津/高麗

唐津の作家、矢野直人さんは、古唐津を磁器質の焼物と捉え、粘土ではなく砂岩を用いて作陶されている数少ない陶芸家の一人です。素材にこだわり、自ら砂岩を掘り、土づくりから始めるその作陶スタイルは、まさにいにしえの陶工に通じるものがあります。しかしながら、矢野直人さんが目指されているのは、単なる古唐津の模倣ではありません。古唐津を手本としつつも、あくまで現代ならではの唐津を目指されています。

Profile
1976 佐賀県唐津市に生まれる
1994 5年間、アメリカへ留学
2002 佐賀県立有田窯業大学校卒業
2003 佐賀県立有田窯業大学校嘱託講師
2004 自宅の殿山窯にて作陶開始
2008 韓国蔚山にて作陶
磁器

磁器

素地のガラス質が磁化して半透明となった、硬質で吸水性のない焼物で、陶器より高火度で焼かれ、軽く打つと澄んだ音がします。
中国では唐末、五代に始まり、朝鮮では李朝初期から、日本では江戸時代初期に有田で帰化朝鮮陶工李三平によって始められたといわれています。
日本では有田、瀬戸、多治見、清水、九谷などが主産地です。
福永浩太(Kouta Fukunaga)

福永浩太(Kouta Fukunaga)

木工(Wooden)

白樺

福永浩太さんの代表作、白樺の片口は、白樺の木を刳り貫いて作られた作品ですが、自然の造形を活かし、枝のところが注ぎ口に、根の部分がまるで水墨画のような景色となっている点が素晴らしく、2008年に開催された高岡クラフトコンペティションでグランプリを受賞されています。自然の木から作るため、当然のことながら1点1点、造形も景色も異なり、そこがまた作品の魅力のひとつとなっています。

Profile
竹花正弘(Masahiro Takehana)

竹花正弘(Masahiro Takehana)

唐津/李朝(Karatsu/Yi Dynasty)

唐津/高麗

竹花正弘さんは、大学で土木を学んだ後、陶芸家を志したという異色のキャリアの持ち主です。竹花正弘さんもまた、古唐津に惹かれた作家の一人ですが、中でも伝世品のように作為を感じさせない古唐津に惹かれ、ご自身も作為を感じさせない作品作りに邁進されています。特に竹花正弘さんの食器は人気が高く、料理を盛ることで、それらをさらに引立てた美しい景色が完成します。「用の美」とは、まさに竹花正弘さんの器のことを言うのだと思います。

Profile
1974 東京都に生まれる
2000 熊本大学卒業後、唐津・あや窯にて3年間修行
2003 唐津市厳木町に割竹式登り窯を築く
2004 初窯焚き、以後各地で個展開催
美濃

美濃

美濃では古墳時代から焼かれていた須恵器から発展したものと考えられています。
桃山時代になると織田信長の経済政策によって、志野焼に代表されるような「美濃桃山陶」が一大産業となり、中でも武将でもあり茶人でもあった古田織部(1543年 - 1615年)が創意工夫を凝らした「織部好み」は有名です。
茶道具

茶道具

菊池克(Katsu Kikuchi)

菊池克(Katsu Kikuchi)

唐津/李朝(Karatsu/Yi Dynasty)

唐津/高麗

唐津の作家、故中川自然坊氏に師事された後に独立。現在は大分に窯を築き、地元、大分の土を用いて作陶されています。古いものが好きだとおっしゃる菊池克さんは、古唐津や高麗茶碗、李朝陶を彷彿とさせる器に留まらず、硯や筆立て、水滴をはじめとした文房具までも手掛けられている数少ない陶芸家の一人です。その作品はどれも古格を感じさせるものばかりで、陶芸ギャラリーだけでなく、古美術店でも個展を開催されています。

Profile
1972 東京都に生まれる
1996 青山学院大学経済学部卒業
1996 スペイン留学
2001 中川自然坊に師事
2008 大分、国東に登り窯を築窯
2010 初個展開催、以後、各地で個展開催
菱田賢治(Kenji Hishida)

菱田賢治(Kenji Hishida)

漆(Lacquerware)

陶胎漆器

陶器と漆を組み合わせた「陶胎漆器」は、元々、釉薬が発明される前、平安時代まで行われていた技法だと言われています。菱田賢治さんは、その陶胎漆器の技法を現代に甦らせ、単に陶器に漆を用いるだけでなく、様々な蒔絵の技法を駆使し、まさに平安時代の王朝文化を垣間見るような美しい作品の数々を発表されています。

Profile
1964 神奈川県横須賀市に生まれる
1989 東京芸術大学美術学部デザイン科卒業
1991 東京芸術大学博士課程(大学院)卒業
1991~2000 電通にてアート・ディレクター
2001~2008 尾道大学芸術文化部にて准教授を務める
2008 静岡県伊豆熱川に築窯、工房「陶と漆」を設立
2009~ 日本工芸会所属蒔絵師、小林宮子に師事
萩

山口県萩市一帯で焼かれる陶器で、起源は、安土桃山時代の「文禄・慶長の役」の後といわれます。
古くから「一楽二萩三唐津」と謳われるほど、茶人好みの器を焼いてきたことで知られ、
400年前に藩窯として誕生以来、萩は「茶の湯のためのやきもの=茶陶」の窯場として発展してきました。
典型的な特徴といえば、淡いビワ色や白色をした柔らかな焼き上がりで、使いこむほどに茶や酒がしみ込んで肌が変化するさまは「萩の七化」や「茶馴れ」といわれ茶人に珍重されています。
藤平寧(Yasushi Fujihira)

藤平寧(Yasushi Fujihira)

京都(Kyoto)

手捻り

京都府亀岡市で作陶されている藤平寧氏は、「陶の詩人」とも呼ばれた父、藤平伸氏から作陶スタイルを受け継ぎ、轆轤を使用せず、すべての器を手捻りのみ作陶されています。
柔らかく美しいフォルムに辰砂や金彩、銀彩といった様々な釉薬が施された作品は、まるで叙情詩のようであり、従来の京焼の概念に囚われない、素晴らしい作品の数々を発表されています。

Profile
1963 京都市五条坂に生まれる(父は藤平伸)
1987 関西大学文学部史学地理学科にて考古学を専攻
1988 京都府立陶工職業訓練校を修了
1989 日本陶芸展に入選
1990 「京都市美術展」にて市長賞を受賞、「現代朝日クラフト展」にて入選(以後4回)
1991 「陶芸ビエンナーレ」にて奨励賞を受賞
2001 仕事場を京都府亀岡市に移す
2008 「パラミタ陶芸大賞展」に出品
2011 「工芸アートフェア―」に出品
西中千人(Yukito Nishinaka)

西中千人(Yukito Nishinaka)

ガラス(Glass)

ガラス(呼継)

ガラス作家、西中千人さんの代表作「呼継(よびつぎ)」のシリーズは、古来からの金継ぎの技法のひとつである呼継の技法をガラスに取り入れたものです。様々な技法で作られたガラスの器をあえて粉々に割り、異なる破片を組み合わせ、金継ぎの代わりに内側から金を使ったガラスで繋ぎ合せていくという技法です。 一度、作った作品を敢えて割るという発想も大胆ですが、ガラス作品はその色合いにより焼成温度も異なれば、除冷する方法も異なってくるため、違うガラス作品を一客の器として焼成するのは非常に高度な技術を要します。まさに西中さんにしか成し得ない作品ばかりで、海外での評価が高いことは言うまでもありません。

Profile
1964  和歌山市に生まれる
1986  西北大学(中華人民共和国 西安)に留学
1988  星薬科大学薬学部卒業
1989-90  カガミクリスタル株式会社勤務
1991-94  カリフォルニア芸術大学(Carifornia College of the Art)にて彫刻とガラスを学ぶ
1995-97  富山市立ガラス造形研究所にて助手を務める
1998  ニシナカユキトGLASS STUDIO設立、現在に至る
西端正(Tadashi Nishihata)

西端正(Tadashi Nishihata)

丹波(Tanba)

丹波

丹波を代表する作家のひとり、西端正さんは、力強い面取りの作品で注目を集めています。面取りが施された造形に釉薬が複雑に流れることにより、四季で移ろう雄大な自然の山々を見ているかのような景色を生み出し、見るものを魅了してやみません。

Profile
1948 兵庫県篠山市に生まれる
1969 作陶を始める
1986 日本伝統工芸展入選(以後多数)
1988 日本工芸会近畿展松下賞
1989 日本伝統工芸展日本工芸会総裁賞、日本陶芸展入選(平成3 同入選)
1990 田部美術館茶の湯造形展 奨励賞
1991 田部美術館茶の湯造形展 大賞
1992 田部美術館茶の湯造形展 優秀賞(以後2回)
谷本景(Kei Tanimoto)

谷本景(Kei Tanimoto)

奈良/伊賀/信楽(Nara/Iga/Shigaraki)

伊賀

谷本景さんは、画家から陶芸家へと転身された異色のキャリアの持ち主ですが、伊賀の焼成に絵画で学んだ要素を取り入れた独自の作品を発表されています。桃山時代の古伊賀は、何回も焼き直していることで有名ですが、谷本景さんも3、4回と焼き重ねるだけでなく、前回とは違った窯を用いたり、違った場所に窯詰めをされています。これにより一客の器にビードロ、焦げ、緋色といった景色を油絵具のように塗り重ねることができ、まるで絵画のような美しい景色を生み出されています。

Profile
1948 三重県伊賀市に生まれる(谷本光生の長男)
1970 美濃にて日根野作三、加藤仁に師事
1972 伊賀三田窯にて作陶
1973 西欧10ヵ国美術研修
1973 パリにてウィリアム ヘイターのアトリエ17にて銅版画を学ぶ(1975まで)
1977 帰国後、伊賀三田窯を継承
1978 個展開催、以後、各地で個展開催
谷本貴(Takashi Tanimoto)

谷本貴(Takashi Tanimoto)

奈良/伊賀/信楽(Nara/Iga/Shigaraki)

楽 / 伊賀

古伊賀の復興を目指した祖父、故谷本光生氏、絵画的要素を取り込み現代伊賀の道を切り開いた父、谷本景氏。その血を受け継ぎ三代目となった谷本貴さんは、今、伊賀で最も注目を集める陶芸家の一人です。穴窯、いってこい窯、楽窯、灯油窯、電気窯といった5つの窯を駆使し、常に「伊賀らしさ」を追求しながら、素晴らしい作品の数々を発表されています。

Profile
1978 三重県伊賀市に生まれる(谷本景の長男)
1997 同志社大学文学部美学及び芸術学専攻入学
2002 京都府立陶工高等技術専門校入学
2003 森正に師事
2004 岡田文化財団の奨学金を得てイタリアへ留学
2005 帰国後、伊賀三田窯にて作陶
2006 初個展開催、以後、各地で個展開催
谷穹(Q Tani)

谷穹(Q Tani)

奈良/伊賀/信楽(Nara/Iga/Shigaraki)

信楽/楽

信楽焼伝統工芸士である谷清右衛門氏を祖父に持つ谷穹氏は、彫刻家中ハシ克シゲ氏に師事されたのち、北村寿三氏に轆轤を、二代目北村器山氏に穴窯の指導を受け、現在は、家業の清右衛門陶房にて作陶されています。
14世紀から15世紀の中世、室町時代に作られた「古信楽」を彷彿とさせる古格ある作品の数々は、陶芸ファンのみなならず、古美術のファンからも厚い支持を得ています。

Profile
1977 滋賀県信楽町生まれ
2000 成安造形大学立体造形クラス卒業後、彫刻家中ハシ克シゲ氏のアシスタントとして国内外の展覧会に同行
2001 北村器山氏の次男北村寿三氏にロクロの指導を、二代目器山氏に穴窯の指導を受ける。その後、家業の清右衛門陶房に入る。
2007 中世の信楽に多く見られる双胴式穴窯を築窯し、毎年改良
2012 単室式穴窯築窯

越前/無名異

越前/無名異

六古窯(常滑・信楽・備前・丹波・越前・瀬戸)の一つに数えられる越前焼は平安末期から須恵器の流れを汲んで発達しました。
あたたかみのある土味、薪の灰でできた自然釉が越前焼の魅力です。

文政年間(1818~1829)頃、7代伊藤甚兵衛が、佐渡島の金山から掘り出される「無名異」(酸化鉄を含む赤い土)を素地土に混ぜて、茶器や酒器などを焼きはじめたといわれます。
これはとくに釉薬を掛けなくても赤く焼き上がるのが特徴で、これこそが現代にまで継承されている無名異焼の興りでした。
明治になって、試行錯誤の末に高温で焼締めた本焼の無名異焼が完成しました。
「無名異焼」の名が定着したのも、この頃からだといわれています。
辻村史朗(Shiro Tsujimura)

辻村史朗(Shiro Tsujimura)

http://fushikinogallery.onamae.jp/shiro_tsujimura/

 

奈良/伊賀/信楽(Nara/Iga/Shigaraki)

井戸/志野/引出黒/伊賀/唐津 他

茶陶の最高峰とされる「井戸茶碗」。辻村史朗さんは、この井戸茶碗の造り手として、最も有名な陶芸家の一人です。茶陶に留まらず、油絵や水墨画、書においても素晴らしい作品の数々を発表され、国内外で高い評価を得るだけでなく、各国の美術館にもその作品が収蔵されています。辻村史朗さんは、陶芸家という枠を超え、現代日本を代表する総合芸術家です。

Profile
1947 奈良県に生まれる
1965 画家(油絵)を志す
1969 作陶を始める
1977 奈良、水間にて初個展開催
1983 東京、日本橋三越本店にて個展開催、以後各地で個展開催
1993 ドイツ、フランクフルト、ジャパンアートにて個展開催、英国、ウエスト、デポンにて築窯、作陶を行う
1994 ロンドン、ギャラリーベッソンにて個展開催、ドイツ、フランクフルト、ジャパンアートにて個展開催
1999 裏千家茶道資料館にて「辻村史朗 壺と茶碗展」開催
2003 ニューヨーク、ギャラリー古今にて個展開催
2007 ベネチア、ビエンナーレアルテンポ館へ招待
2009 パリ、吉井画廊にて個展開催

辻村唯(Yui Tsujimura)

辻村唯(Yui Tsujimura)

奈良/伊賀/信楽(Nara/Iga/Shigaraki)

井戸/自然釉/粉引 他

いにしえの須恵器、中世の山茶碗に惹かれ、自然釉の作品を中心に発表されているのが辻村史朗氏の長男、辻村唯さんです。穴窯の力強い炎で焼成された作品は、オリーブグリーンのとても美しいビードロを纏っていますが、一つとして同じ景色のものは存在せず、見る人を魅了して止みません。

Profile
1975 奈良県に生まれる
1993 父 辻村史朗に師事
2000 奈良、水間にて独立
2002 半地下式穴窯を築窯
2003 大阪、阪急百貨店にて初個展、以後各地で個展開催
2010 ニューヨークにて個展
辻村塊(Kai Tsujimura)

辻村塊(Kai Tsujimura)

奈良/伊賀/信楽(Nara/Iga/Shigaraki)

井戸/志野/引出黒/伊賀/唐津 他

辻村史朗氏の次男、辻村塊さんは、井戸、志野、引出黒、伊賀、信楽、唐津、粉引といった非常に多くの焼物を手掛けられており、とても一人の陶芸家が作っているとは思えないほどです。そしてどの器も料理映えや酒映りの素晴らしいものばかりで、用の点で特に秀でていることから、辻村塊さんの作品は、プロの料理人からも非常に高い評価を得ています。

Profile
1976 奈良県に生まれる
1994 父 辻村史朗に師事
2000 奈良、桜井市にて築窯、独立
2001 小田原、うつわ菜の花にて初個展、以後、各地で個展開催
金重まこと(Makoto Kanesige)

金重まこと(Makoto Kanesige)

備前(Bizen)

備前

備前焼の名家、金重家に生まれ、中興の祖と呼ばれる故金重陶陽を叔父に、故金重素山を父に持ち、備前焼に対する高い精神性を受け継がれている金重まこと氏は、現在の備前を代表する陶芸家のひとりです。
陶土への研究心、轆轤技術から生まれる重厚な作品の数々は愛陶家の方々から非常に高い評価を受けており、2019年に地域文化発展の貢献が認められ、岡山県文化賞を受賞されました。
現代の酒器作りにおいて、最も評価が高い陶芸家です。

Profile
1950 岡山県備前市に生まれる
1969 京都大学農学部卒業後、父金重素山のもとで陶芸の道に入る
1979 岡山高島屋にて個展開催 以後、各地にて個展開催
1982 父金重素山の開窯した「円山窯」を継承
1984 田部美術館「茶の湯の造形展」で奨励賞を受賞
1990 淡交ビエンナーレ「茶の湯美術公募展」で奨励賞を受賞
1997 「備前焼パリ展」出品
2011 山陽新聞社文化功労賞受賞
2019 岡山県文化賞を受賞